キラめく堕天使

 金髪はケラケラと笑い出した。

「堕天使ですって。よくも言ってくれたわね。まあ、そうなんだけど。ねえ」

 振り返ったそこに、茶髪の堕天使がいた。
 
あれ?
 
いない。
 
さっきいた、銀髪の堕天使がいない。
 
あの人が、ピアスをつけていたのだ。
 
揺れる銀髪から覗いた赤いピアス。

 間違いなかった。

「あの、銀髪の堕天使さんは?」

 今度は、茶髪の方が豪快に笑った。

「あら、あなたもエレナに心を奪われたの?モテるわねえエレナは」
 
銀髪はエレナというのか。

「一緒じゃないんですか?」

 金髪が、座ってグラスにお酒を並々と注ぎながら、

「エレナはね、ご執心の悪魔に連れられて行ったわ」

「ごしゅうしん?」


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