キラめく堕天使

だって、こんなに綺麗なのだ。

もう、ルナなんて、ジュランなんて、どうでもいいような、そんな気が一瞬した。

さすが元天使。いや、現堕天使だからこそなせる業なのか。

オレはしっかりその魅力に飲み込まれそうになっている。

「残念だけど知らないわ。魔界のどこかよ」

 呼気に甘いお酒の香りが絡みついている。
 
その甘さが金髪の彼女の持つ色香と混ざり合って、ああ、もう、どうにでもしてって感じにさせる。

 けれど、オレの理性は微かにあらがった。
 
ルナが泣いている。

 綺麗なジュランがいばらの椅子に縛り付けられて苦しんでいる。
 
ルナは憧れの鈴菜ちゃんに酷似している。いや、そんなことはもう、どうでもよかった。

ルナを、ルナのためにジュランを、どうしても助けてあげたかった。
 
ルナのために?

その割には、ジュランの美貌が頭を離れない。

 しっかり、しなければ。


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