キラめく堕天使

「じゃあもうひとつ訊いていい?ここから魔界へはどうやって行けばいいの」

 金髪は、オレから離れた。

「ここはもう魔界の入り口よ。魔界の奥深くに入って行きたいのなら、水から出ればいい」

 水から、出る?
 
天井のこの水の浅い方へ進んでいけばいいってことかな。

「ありがとう。」

 オレは二人に背中を向けて、ちょっと立ち止まった。

「あなた達にも、迎えに来てくれるヒトがいるといいね」

 二人は、顔を見合わせて、笑った。
 
そんな期待は、もう捨ててしまっているのかもしれない。
 
オレはまた天井を見ながら歩き出した。
 
そうしていると、階段から降ってきた鈴菜ちゃんのことを思い出した。
 
必死で彼女を受け止めたオレ。
 
けれど、彼女はそのオレを毛嫌いしている様子だった。
 
今のオレならどうだろう?
 
鈴菜ちゃんも瞳をきらめかせて、オレに近づいてくるのだろうか。


 
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