キラめく堕天使
我ながら、不似合いだと思った。

どうせ捨てられているのだ。このクローゼットの浜で、好きな衣装に着替えてしまおう。

オレは、あちこちに散らばって落ちている布塊を拾って品定めを始めた。

宝石が無数に散りばめられた、重量のある服。

黒いさらしの様な長い布。

どこに首や腕を通していいのか分からないような穴だらけの服。

何だか、身につけるのが厄介そうなモノばかりだった。

悠長に選んでいる暇はないのだ。

それでも、難解な服ばかりに行き当たるので、さすがに困ってしまった。

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