キラめく堕天使

だから、悠長に選んでいる暇はないんだったら。

苛々してきたときに、黒い、胸元がV字に開いている服に行き当たった。

人間が身に付けていたんじゃないだろうか。

それくらい、まともだ。

オレはシャツを脱ぎ捨てて、それを着た。

それから、その傍に黒い皮のパンツを見つけて履き替えた。

少し森に近づいたところで、黒いブーツを見つけて履いた。

ブーツには飾りベルトがついていたので、試しに短剣を収めてみた。

思ったより、ちゃんと収まる。

よし、コレで行こう。

結局、黒尽くめになった。

森にたどり着くまでは結構歩いた。

足元が砂なので、あせっても、なかなか思うように進めないのだ。

やっと、ポツリと離れて生えている一本の木にたどり着いた。

息をついて、幹に手をついた。

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