キラめく堕天使
ヒンヤリとした感触に、驚いて、よく見ると、幹は石のようだった。

グレーの石で、精巧な木を彫ったみたいだ。

その石の幹からは石の枝が生えていて、その先に、有機質な人間界と変わらないような葉っぱを繁らせている。

一体、どうなってんだ?

オレは幹から手を離した。

先に進もうとして、枝の一つにかかった黒いリボンを見つけた。

そうだ。

オレは目的を忘れそうでいけない。

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