キラめく堕天使
朽ちて原型をとどめていない木が見えた。

傍を通り過ぎながら覗くと、その崩れた幹の部分から、さらりと砂が落ちた。

なるほど、ここの木は朽ちると砂になるのだ。だから、足元はさらさらの砂に覆われているんだ。

枝は高く伸び、間を開けて繁っているので、繁った葉っぱの隙間から、空の青白さが垣間見える。

ふと、身体にエネルギーがみなぎっていることに気付いた。

魔界の空気に触れて、本来のフィックスの力を取り戻したのかもしれない。

けれど、フィックスの意識が、オレの意識を邪魔してくることはない。

一体、この体の主の意識はどこにあるんだろう。

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