キラめく堕天使
ぼんやり歩いていたので、目の前に現われた、巨木にぶつかりそうになった。

 巨木は大人が三人ほど手を伸ばして周りを取り囲んでも足りないほどの大きさだった。
 
人間界にあったらご神木として扱われそうだ。

 ぶつかりそうになったついでに、手で触れてみた。
 冷たくない。

 手触りも、石ではなく、木のようだった。

 グレーの、木。

 へええ。

 回り込んで見ていると、反対側に、何と扉がついていた。

 木の丸みを無視して、そこだけ少しへこんだ形で、四角く真っ直ぐなドアがはめ込まれてあるのだ。

 何だろう?

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