キラめく堕天使
細く長い足は何も身につけておらず、その白い肌を惜しげもなくさらしている。

 裸足のその足を眺めていると、彼女は髪を揺らして顔を上げた。

「ラビ、この人の欲しい本を探してあげて。」

 ラビと呼ばれた物体が、オレの視界に入ってきて動いた。

 見ると、巨大な赤いウサギだった。

 いや、白ウサギか。

 そのオレの背よりも高い体で、軽やかに音もなくぴょんぴょん跳んで、本棚の方へ行った。

 それからすぐに帰ってくると、オレの真正面で止まった。

 さっきの青い目はこいつだったのだ。

 今は、部屋を照らす明りのせいで、黒っぽく沈んで見える。

 そのでっかい目でじっとオレを見ると、耳を折って、オレの頭にかぶせた。

 視界の半分が耳に閉ざされたまま、ラビの体を見た。

 ふんわりとした腕。

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