キラめく堕天使
「うん。フィックスは食べられるし、人間の魂は手に入れられるし、あなたほどいいエモノはなかなかいないわよ。」

 可愛い顔して、怖いことを平気で言う。

 けれど、彼女も魔界にいるのだ。魔物の一種なのだろう。

「まさか、君も堕天使なんじゃないよね」

 言うと、シュロスはぷっとふくれた。

 あ、可愛い。

 見とれていると、

「冗談じゃないわ。堕天してきた天使は、こんな高等な役職にはつけないわよ。あたしは上級魔族よ。エリート中のエリートよ、見てて」

 シュロスは閉まっているドアに近づいて、バンっとそれを乱暴に開けた。

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