キラめく堕天使
 と、そこには、さっきオレが立てた悲鳴を聞きつけて群がってきていた連中が、ウロウロしていた。

 狼のようなモノやサルのようなモノ、何となくなじみのあるその姿に、赤く輝く禍々しい目を持った生き物達がそこにはいた。

 低いうなり声を出し、よだれを垂らしている。

「人の形をしていないのは知能が低い証拠よ。フィックスは例外だけど」

 言うと、シュロスは片手の手のひらを上に向けた。

 その手のひらの中に、青いぽうっとした光の塊が現われる。

 手のひらをほんの少し傾けて、それを転がした。

 それは、光りながら、空中を彷徨うように外へ向かって転がり出して、群がっている連中の真ん中に落ちた。

「滅」

 
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