キラめく堕天使
彼女が言うと、塊は眩しい閃光を放って、大きく膨れ上がった。

 オレはその眩しさに、思わず目を細めた。

 光は音もなく膨らんでいきながら、そこにいた野生動物のような超低級魔族を飲み込んで行った。

 光に飲まれると、彼らはその輪郭を失い、ゆっくりと消滅して行った。

 それは一瞬のできごとだった。

 膨らみきった光は輝きを失うと不意に消滅した。

その後には、さっきまで群れていた餓えた個体たちの姿はなく、砂と木だけの風景だけが残っていた。

「わかった?あたしはあいつらと格が違うの。堕天してきた天使は、あいつらに襲われることに怯えて暮らしているわ。つまり、堕天使はあいつらのさらに格が下なわけね」

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