キラめく堕天使
どうしよう、宝石なんて、ダイヤモンドくらいしか知らない。

 思っているのがバレたのか、シュロスはケラケラと笑い声を上げた。

「大丈夫ここでは人間界で探すより簡単に石は手に入るわ。人間界のように、鉱石の形で存在するんじゃなくて、磨かれて商品になったような形で存在するの。つまり、ピカピカして綺麗だなって思うものを取ってみればいいのよ。」

「ふーん。」

「それにしても、コレをあなたに渡せってことは、あなたは魔法が必要なほど、魔界に深く入っていかなければいけないってことなんだけど。どうして?」

 オレは、シュロスの綺麗な赤い目を見つめた。

「魔王の一人を、助けたいんだ。」

 シュロスの目が驚きに見開かれた。

「もしかして、元ビックスの?」

 どうして知っているんだろう。そんなにジュランは有名なのか?

「そう、だったの。」

 シュロスは目を伏せて、唇を人差し指で触れた。

< 79 / 212 >

この作品をシェア

pagetop