キラめく堕天使
「分かったわ。」

急に、シュロスの喋り方が変わった。

キビキビとした声になって、

「それでは、この本を貸し与えます。本来禁帯出扱いの本なので、期限は通常の二週間より少なく、三日となります。期限が過ぎれば強制的に返還されるので、気を付けて下さい」

「はっ、はいっ」

 シュロスのきりっとした声と態度に気おされて、思わず固く返事をすると、シュロスは柔和なシュロスに戻って、笑った。

「このままだと持ってるだけで疲れちゃうから。ちょっと待ってね。」

 言うと、シュロスは本に手をかざした。

 シュロスの腕の中にずっしりとその身をおいていた本が、たちまち縮んで、メモ帳くらいの大きさと薄さになった。

 これなら携帯できる。

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