続★THE イケメン4兄弟-幸せな同居生活-【完】
「この味噌汁は、今は亡き母がよく私に作ってくれていた味噌汁です」
別にお母さんの話に同情させて評価を貰う気はない。
それに、
お袋の味=味噌汁
なんて、常識で普通かもしれない。
だけど私が聞いてほしいのは・・その後。
「私は今、ある家族の方々と一緒に住んでます。その家族の方々は、両親を亡くし身寄りがない私を屋敷においてくれました。
最初はすっごく嫌で、家族でもない人達と暮らすなんてあり得ませんでした。
喧嘩、喧嘩の毎日で何でこんな所に居るのかさえ分からなくなりました。
お金持ちだか何だか知らないけど、食べる物は皆高級食材を使った料理。買うものだって高価な物ばかり。
正直、金持ちなんて嫌いでした。
そんなある日・・その家に来て、初めて夕食で"一般家庭にある味噌汁"が出てきました。
それがこの"豆腐とワカメの味噌汁"でした。
正直驚きました。こんな屋敷で味噌汁が出てくるなんて!!と・・それに、亡き母が作ってくれた味噌汁と全く同じ具材の味噌汁。
そして、これを作ってくれた方は言いました。
"お前の家ではこんなの作ってたんだろ??お袋さんの味に近付けるかわかんねーけど、食べろ"と。
その時の言葉で、溜まってた分の涙が溢れ出てきました。
そこから、私の思い出の料理はこの"味噌汁"になりました。
今でもよく作って貰ってます!!!!」
それを作ってくれたのは李斗さん。
李斗も少しビックリした顔で柚姫を見ていた