甘食系男子





「佐藤くん…」


か細く発っせられたその言葉にその場の音が止む。





「…はい」


「その菓子パンのメーカー…どこですか?」


「…はい?」



女子特有のヒステリーを起こされるか、はたまた泣かれるか…と思っていたオレは拍子抜けしてしまった。
周りの皆もそれは同じようだ。




「いや…えっと、第二パン…です。」

いやいや。なに冷静に答えてるんだオレ。


「第二パン……

私、第二パンに負けたんですね…。」



いや、負けたというかその。
…なんの話をしてるんだ?



「私…わたし…っ」

少し涙声で呟くのを聞いて、来るか…!と身構える。







「…っ一生、第二パンは買いませんわっ!!」



「は…」



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