甘食系男子
…今のわざとらしい泣き声はなんだ。
放っておいて欲しいのか
かまって欲しいのか…。
ため息をついて、大きな啜り泣きの聞こえた方へ向かう。
「宮古塚さん」
冊の隅で屈んでいる彼女を見つけて声をかけた。
「ひっく…」
「………
はぁ…」
向き合って、自分も同じ様に屈む。
「ひっく…っ…」
…クラスの奴らに急かされて来たは良いが、これから一体どうしろと…。
泣いてる女子を前にしてどうすれば良いかなんて、チョコレートのテンパリングを温度計なしでやるくらい難しい。
何を言えばなんて分かるはずもなく、ただガシガシ頭をかいて言葉を探す。