甘食系男子
そう。肝心のチョコレートが決まらない。
大好きな佐藤くんに渡す物だから、絶対に妥協は出来ないし、尚且つ他の女の子と被るなんてもっての外。
「佐藤くん…きっと沢山貰うんでしょうね…」
ハァ…と溜め息をつくと、お母様が「バレンタイン…そうねぇ」と呟いた後に言った。
「ホワイトチョコはどう?」
「ホワイト…チョコ?」
「そう!意外に少ないんじゃないかしら。ホワイトチョコを渡す人は。」
意外に少ない……独創性!
これだわ!!
「私も初めてバレンタインデーにお父さんへチョコを渡した時は緊張し…」
「ありがとうお母様!早速わたし、試作を作ってみるわ!」
「ってあら雅?…ふふふ。恋ね」
佐藤くん…待ってて下さいね。
とびきりのチョコレートをお届けしますわ!
エプロンを片手に、キッチンへと駆け出した。