甘食系男子
「ヘックシュン!あ゛ー」
12時だというのに太陽は全く姿を見せていない。
今年は暖冬じゃなかったのかなどと文句を吐いても、気温が上がるわけでもなし。
俺、佐藤一はリビングのソファーに寝転がりながら、
ぼーっとテレビを眺めるというなんとも有意義な日曜を過ごしていた。
「やだ、お兄ちゃん風邪?」
キッチンから出て来た妹が、エプロンを取ってソファーに腰かける。
「んー…なに、終わったの?」
朝からキッチンを占領してチョコレートと格闘していた妹のおかげで、
俺はまだ朝ご飯すら食べれていない。
「今焼いてるの。今年は大作♪」
ほー…と適当に相槌をうちながら、頭では何を食べようかという問題で既にいっぱいだった。