甘食系男子
「………」
あぁ…
そういえば二葉(妹)に今朝チョコ渡された…。
お返しに高いもんを買わせる為に問答無用で押し付けられたとも言う。
「だからか…」
朝からそわそわと浮足立っているクラスの雰囲気も、
目の前にいる人一倍落ち着きのないこのアホも、原因は皆バレンタインデー。
貴重な甘い物を人にあげるなんて理解できない俺には、関係のないイベント。
「なら自分で食べる…」
こんなことを口に出せば、また和紀に甘党だの甘食系男子だの言われるのが分かっているのでだんまりを決め込んだ。
「へーへー。興味ない顔しやがって。で?…………もらったのかよ」
「なにを?」
「チョコ」
「誰が?」
「お前が!」
「誰に?」
「……っ宮古塚さんだよ!ヴァーカッ!!」