甘食系男子
「………」
何故いきなりバカ呼ばわりされるのか、訳もわからないまま和紀に頭を叩かれた。
俺、和紀に叩かれすぎな気がする。
「なんで俺が…っおい!」
納得がいかないのを抑えながら頭をさすっていると、和紀が俺の鞄の中身をあさりだす。
「どれだ!俺が食ってやる!」
「バ和紀!んなもんあるか!」
「ごまかそうったて無駄…」
次の瞬間あー!!という叫び声と共に和紀の手に握られていたのは、
今朝、妹の二葉に貰った(押し付けられた?)チョコレートだった。
「これか!これが…これがあの!これ!」
「噛み過ぎだアホ!つーかいいから返せって!」
和紀の手から取り返そうと腕を伸ばすが、むかつくことに避けられる。
「お前にだけ美味しい思いさせてたまるかッ!」
ハハハと笑いながら叫ぶ和紀は、目つきが危ない。
「必死すぎるだろ…」