甘食系男子





 □



「よし…出来た!」

しっかり蓋を閉めて袋に入れる。
朝早く起きて作った力作のお弁当。

…と言っても、もうお昼なのだけれど。


鏡で髪をチェックして、最後にニッコリ笑って確認。



「今日も相変わらず可愛いわ」







宮古塚雅(ミヤコヅカ ミヤビ)
いきなりだけれど、私はモテる。
由緒正しいお家柄に生まれたうえにこの美貌。



「車を出して」


通っている学校は寮制だけれど、私は家から通学。一般生徒と同じ部屋だなんて有り得ないわ。

でもいいの…



だって、

「佐藤くんがいるから…」



車の後部席に座って外を眺めながら頬を赤らめる。




「お嬢様、体調が…」

「うるさいわね。黙ってなさい」


あぁ…早くお会いしたい。


佐藤くん…



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