甘食系男子
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「よし…出来た!」
しっかり蓋を閉めて袋に入れる。
朝早く起きて作った力作のお弁当。
…と言っても、もうお昼なのだけれど。
鏡で髪をチェックして、最後にニッコリ笑って確認。
「今日も相変わらず可愛いわ」
宮古塚雅(ミヤコヅカ ミヤビ)
いきなりだけれど、私はモテる。
由緒正しいお家柄に生まれたうえにこの美貌。
「車を出して」
通っている学校は寮制だけれど、私は家から通学。一般生徒と同じ部屋だなんて有り得ないわ。
でもいいの…
だって、
「佐藤くんがいるから…」
車の後部席に座って外を眺めながら頬を赤らめる。
「お嬢様、体調が…」
「うるさいわね。黙ってなさい」
あぁ…早くお会いしたい。
佐藤くん…