紅色の永遠
自然と目は道行く人々に向かう。

人の多い通りのではないけれど、全く人がいないわけではない石畳の通り。

立ち尽くす二人の事など目もくれずに行き交う人々を見つめて、老女の質問の答えを模索する。

そんな瀬遥の目に、愛らしい少女の三つ編みを飾る、鮮やかな紅色が飛び込んできた。

一瞬で焼き付いたその色に目を凝らすと、それは紅のリボン。



‥‥あぁ。



瀬遥はようやく得心した。

「‥今日は、想い人の日‥」

「そう。今日は、想い人の日‥ユベスクの日よ」

繰り返して頷いた老女は、満面の笑みを浮かべた。

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