紅色の永遠
「‥瀬遥さん」

ス、と差し出された手には、レースで縁取られた桃色のハンカチ。

瀬遥は小さく礼を言って、目尻にそっとあてがった。

その様子を、老女は静かに、穏やかに見守ってくれている。

温かい視線の中で、瀬遥は震える吐息を飲み込んだ。

「‥あの、洗ってお返ししますね」

「あら、そんなコト気にしないで。

‥それは、貴女に渡そうと思っていたモノだから、大切にして下さいな」

「‥?
‥どういう事、ですか‥?」

きょとん、と目を丸くした瀬遥に対し、老女はコロコロと笑った。

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