紅色の永遠
「‥‥そう、その顔よ」

老女は微笑を浮かべた。

「素直な、キレイな笑顔‥。暗い顔より、ずっといいわ」

僅かに上気した老女の顔は、瀬遥と出逢ってから‥今までで、一番の笑顔だった。

「‥良かった。これで私も、遥輝も‥ずっと笑っていられるわ」

ポツリとそう言って、老女は瀬遥に背を向けた。






一枚のハンカチを、瀬遥の手に残して‥。





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