紅色の永遠
「そう。あなたの事は、よく聞いていたわ。

いつでもいつでも、遥輝はあなたのコトを想っていて、楽しそうに話してくれた」

「‥‥‥」

瀬遥は笑顔で嬉しそうに話すおばあさんの声と顔に、遥輝の面影を見付けた。

垂れた瞳を細めて優雅に口元をあげるその笑顔は、瀬遥にとって心の拠り所だった。

いつも笑顔を浮かべていた彼は、この老女に似たのだろうか。

それを想った一瞬に、瀬遥の瞳に映っていた老女が急に身近な存在に感じた。
< 7 / 27 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop