あたしの彼氏は先生
先生の車ってどんなのだろう?やっぱ黒かな?
「これが俺の車」
え……?
これって…
「赤の車…?」
先生ってこうゆうの乗るんだ…
「ちげーよ!!!!それは保健の後藤先生のだっつーの!!こっちの黒い車が俺の。」
…ホッ”
先生が赤の車に乗ってなくて少しほっとした。
それにしても…
“赤”ってねぇ……?
おもわず“プッ”と吹き出してしまった。
「何笑ってんだよ」
「だってぇー先生が赤い車とか…想像したら超面白いー!!!!」
「うるせー」
と言いわざと私の髪をクシャクシャにするように撫でた。
♪〜♪
先生は車に入るなり、ラジオをつけた。
そのラジオからは私が好きな『AI:story』が流れた。
「先生、この曲好きなの?」
うん”と先生は煙草を吸いながら答えた。
そしてこう続けた。
「この曲いいよな。なんか聴いてると勇気が湧いてくるというか…」
先生はそう言うと煙草を消した。
「私もこの曲好き」
「そっか」
と先生は微笑み、
“出発〜”と言い車が動き出した。
先生の車…
温かくて何だか落ち着く。
この煙草のにおいも好き。
先生からたまに香るシャンプーのにおいも好き。
あたしって相当先生にはまってるな…
「先生ぇ?さっき言ったことの続き教えてよー」
先生はしなやかにカーブしながら言った。
「やだね♪」
「先生が教えてくれるまで帰らないからぁ!!!」
半分冗談で言ったつもりが先生がそんなこと言うから本気になっちゃいそう。
「じゃあ教えない方が言いかもな」
と赤信号で止まっているので私の方を向いて言った。
「ッ〜…」
先生のバカァ〜ッ…
「じゃあ夜景でも見に行くかっ!!!」
え…嘘??良いの?
「…良いの?」
「俺は良いけどお前こそ親に連絡しとけよ」
そう言ってまた走り出した。
家に行くには右折しなきゃいけないけど今日は夜景を見に行くから左に曲がった。