君のとなり
「は、はい………」
奈々さんの勢いに思わず、返事をしてしまった。
「物分かりの良い子ね。さすが淳ちゃんの妹!」
「……………」
黙って奈々さんを見ることしかできない自分にイライラした。
「悠輔、他に好きな子がいるかもしれないの。」
あの日のことがバレたんじゃないかと、変な汗が背中を伝った。
「悠輔を誘惑しないでね?」
やっと上手く息ができるようになったのは、奈々さんがいなくなった少し後だった。