君のとなり
そんな甘い雰囲気には、とても合わない大きいお兄ちゃんの声が聞こえてきた。
それと同時に、部屋の扉が開いた。
「ここちゃん。良い度胸してるのね。」
ひどく冷たい視線を送ってくる奈々さんを見て、悠ちゃんから急いで離れようとしたのに。
悠ちゃんはそれを許してくれなくて。
「悠輔、やっぱり好きな子がいたのね。」
「あぁ。そうだけど?」
「ひどい……何でよ…」
奈々さんは手で顔を覆って泣き始めた。
その後ろにはお兄ちゃんと知香ちゃんが立っていた。