君のとなり




「それは愛されてるから言えるんだよ。」



「悠ちゃんは!…悠ちゃんはちゃんと奈々さんのこと愛してたよ。それに奈々さんは気付かなかっただけだよっ」




思わず涙が溢れてきて、俯くとフワッと悠ちゃんの香りに包まれた。




「ここの言う通りだよ。傍にいてくれなかったのは奈々だろ。」



「………」




「他の人と幸せになってくれ。」




苦笑いを浮かべると、奈々さんは部屋から出ていった。



きっと奈々さんは本当に悠ちゃんを好きだったと思う。


だけど、寂しさに勝てなかったんだ。


でもきっと、今度は他の人と幸せになれると思う。


……ううん、幸せになってほしい。



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