君のとなり
バス停までの距離が意外と遠くて、何度もため息が出そうになる。
― プップッ
後ろから急に聞こえてきた車のクラクションの音に驚いて、立ち止まった。
「ここちゃん!」
車の窓から顔を出した相手にドキッと胸が高鳴った。
「……悠ちゃん!」
「帰り?」
「うん。悠ちゃんは仕事帰り?」
「おぅ。仕事終わって、飯食って……その帰り!」
「そっか。お疲れ様~」
「俺も帰りだし、送るよ!」
にっこり笑った悠ちゃんに、心臓の音が聞こえてしまいそうなくらいドキドキしてる。