君のとなり




「悠ちゃん…!ここに水置いておくからね」



「ん……」




返事なのか、そうじゃないのか、わからない返事があって。





「悠ちゃん、ネクタイ緩めれる?」




「ん……」



と、言ったものの……全然緩められていなくて。




「ごめんね。緩めるよ?」




心臓をバクバク言わせながらキュッキュッとネクタイを緩める。





「奈々……ありがとう」



そう呟いた悠ちゃんに、息が止まってしまいそうな感覚に陥った。



奈々って、…悠ちゃんの彼女だよね?
涙が溢れてきて、黙って部屋を出た。




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