君のとなり
いつも悠ちゃんの傍には奈々ちゃんがいるんだね。
ありがとう、ってかすかに笑った悠ちゃんはすごく素敵だったな。。
アタシも一瞬で良いから奈々ちゃんになってみたい……
「……っ!心!!」
「……へっ?」
「何、間抜けな声出してんだよ」
お兄ちゃんの声で我に返ると、上半身裸で髪を拭くお兄ちゃんがいた。
これが悠ちゃんなら鼻血もんなんだろうけど……
お兄ちゃんだから何とも思わない。
「悠輔、寝てる?」
「え、多分ね。」
「ネクタイ緩めてやったか?」
「うん。奈々って子に間違われたんだよー!」
怒ってるふりをしながら笑って言うと、お兄ちゃんは苦笑いした。