君のとなり
「それ、悠輔の女の名前だよ」
「まあなんとなく分かってたけど」
しばらくの沈黙があって。
お兄ちゃんは少し間を空けてアタシの横に腰かけた。
「あいつ、そのうち倒れんじゃないかな」
「はっ!?」
「最近、毎日飲んでる。あんな風になるまで飲んだのは今日が初めてだけど……」
お兄ちゃんは、ふぅーとゆっくり息を吐いた。
その表情は少し疲れてるような、でもすごく心配しているように見えた。
「……何かあったの?」
恐る恐る聞いて見ると、ゆっくり口を開いた。
「別れたんだよ、奈々ちゃんと」