君のとなり
そのまま自分の部屋へ行こうと、リビングへ入らず階段を上った。
「ここ!待て。」
少し低いお兄ちゃんの声に驚いて、肩がビクッとなった。
「下りて来い。」
その言葉に素直に従って、駆け上った階段をゆっくり下りていく。
「悪いな。悠輔連れてきて。」
「………別に、良いけど」
「悠輔から聞いたよ。あいつ、ここの事かばって言おうとしなかったけど」
胸がギュッとなる。
何も言葉がでなかった。
「もっと自分を大切にしろよ。安売りすんな」
勝手に涙がポロポロと頬を伝った。