君のとなり
………………今、なんて…?
心拍数はこれでもか、ってくらい上がって、変な汗まで出てきた。
「どーいうことだよ?」
少し柔らかくなったお兄ちゃんの声がした。
「気になってる。奈々への気持ちがなくなったかってわけじゃないんだけど……」
「奈々ちゃんの代わりにするな」
「そうじゃなくて!俺が守ってやりたいって思う……」
お兄ちゃんと悠ちゃんのやりとりに目眩さえ覚えた。
動揺しすぎて、カバンを落としてしまった。
ドサッ
その音にまずいと思った時には、もうリビングのドアが開いて、お兄ちゃんが立っていた。