君のとなり




「ここ……聞いてたのか?」



静かに頷いた。




悠ちゃんは驚いた顔を見せて、すぐいつもの優しい笑顔に戻った。




「……ごめんなさい」



「気にしなくて良いよ。」




悠ちゃんがそう言って、お兄ちゃんがアタシの頭に手を乗せた時、お兄ちゃんの携帯が鳴った。





「はい。……うん、悠輔いるよ。」



最後にわかった、と言うとお兄ちゃんは電話を切った。





「知香子が近くにいるから、来るって。今から。」




何とも言えない雰囲気が、少し穏やかになった気がした。




< 72 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop