君のとなり
「部屋にいる?」
その声のあとに、リビングのドアが開く音がした。
「ここちゃーーん!」
呼ばれたら、返事しないわけにはいかない……
だって、お兄ちゃんの彼女を無視するなんて度胸はない。
「はーい……!」
「今、大丈夫?降りてこれる?」
「あ、うん~」
小さなため息をついてから、足早に階段を下りた。
「ほら、奈々!ここちゃんだよー」
「初めまして。奈々です」
近くで見ると、本当にカワイイ人。
キレイな二重に、鼻筋が通ってて、ほんのりピンク色の唇。
「心です。初めまして。」
あからさまに引きつった笑顔で挨拶をした。