君のとなり
「帰宅命令だってよ」
そう言って、お兄ちゃんはフッと鼻で笑った。
「他人事だと思って……」
悠ちゃんは少し、顔をしかめた。
いまいち理解できずにいたら、悠ちゃんが口を開いた。
「さっきから何回も、まだ?とかいっぱいメール来るんだ。」
「……奈々さん?」
悠ちゃんは静かに頷いた。
「寂しいんじゃないかな。それに、ここにいることは知ってるの?」
「知ってるよ。」
「女の子は勘が鋭いからね。奈々さん、気付いてるのかもね。」
悠ちゃんとお兄ちゃんは、頭の上にハテナマークをたくさん浮かべていた。