君のとなり
「とにかく!今日は帰ってあげた方が良いと思うよ。」
きっと、奈々さんはあの日気付いたんだと思う。
アタシが悠ちゃんを好きなこと。
だから早く帰ってきてほしいんだと思う。
もしアタシが奈々さんの立場なら…
帰ってきてほしいから。
「ほらほら、早く!」
悠ちゃんを帰るように促すと、浮かない顔ながらも腰をあげてくれた。
「しょーがないなぁ~」
そして、「ありがとな!」と頭に手をポンっと置いて帰っていった。
見えなくなった姿に寂しさを感じながら、玄関を後にした。