君のとなり
あの後、場所を変えてまた話し込んでしまって。
時計は午後の10時過ぎを示していた。
女の子は本当に話が尽きないなあ。
沙希と慧子のノロケ話だって、聞いてるのは悪くない。
むしろ、楽しかったりする。
あれ………、
家の直前で足を止めた。
家の前に、誰かが立っていた。
少しずつ近付いて、その人を確認できた時、びっくりした。
「奈々さん……?」
「あっ。心ちゃん……?」
「はい。…どうされたんですか?」
お兄ちゃんに会いに来たとは思えなくて。
遠慮がちに尋ねてみた。