君のとなり
勢いで言ってしまったことに後悔した。
嫌な沈黙が続いて、変な汗が出てくる。
「悠輔の何を知ってるっていうの?」
「それは……でもっ、悠ちゃん優しいし……」
何を知ってるか、と言われ答えられない自分に涙が出そうで。
「だから、何?」
ソファーから立ち上がって、こっちに歩いてきた奈々さんに後退りしてしまう。
「ゆ、悠ちゃんのこと……ちゃんと信じてあげてください。」
「気安く悠ちゃんなんて呼ばないでよ!」
目の前まで奈々さんが来たとき、リビングのドアが勢い良く開いた。