君のとなり
「何してるんだよ?」
眉間にシワを寄せた怖い顔のお兄ちゃんが立っていた。
「悠輔がお邪魔してないかと思って。」
「残業だよ。悠輔、連絡しただろ?」
「来たけど。じゃあ私は帰るね。」
少し頭を下げて微笑むと、奈々さんは帰っていった。
その笑顔にゾッとした。
「何があったんだよ。」
「ん~…よく分かんない。」
ハハッと軽く笑って、首を傾げてみた。
お兄ちゃんは眉をピクッと上げて、こっちを見るとため息を1つつき、お風呂へ行った。
その瞬間、ハァと深いため息が漏れた。