*蒼空色Diary*
中は白を基調とした落ち着いた感じの内装。
由里亜はカウンターで何やら話してからあたし達の所へと戻ってきた。
「今のがインフォメーションセンター。
お風呂とか洗濯は自分の部屋でできるけど、ご飯はみんなと一緒に2階の食堂で食べるの。
寮室は3階からで、部屋の鍵はカードキーね。
カードキーはインフォメーションセンターに保管してもらうといいよ。
エレベーターは自由に使ってくれていいから」
由里亜が説明してくれるけど、あたしはあまり聞いていなかった。
頭がぼーっとして、瞼が重い…
あたしはさっきから睡魔と必死に戦っていた。
「…杏樹、眠い?」
「…大丈夫」
あんまり認めたくないけど、あたしの体調とかいち早く察知するのはユアン。
今もあたしが眠いってことを見抜いてる。
フラフラなあたしがユアンに腕を引っ張られながらしばらく進むと
「ここだよ。こっちが杏樹の部屋で、隣がユアン君の部屋」
由里亜が2つのドアの前で立ち止まり、カードキーで開けてくれた。
「荷物は部屋に入ってるから。2人ともゆっくり休んでね。
夕食になったら迎えにくるから」
由里亜はそう言って笑う。
きっとあたしが眠いのを由里亜も気付いたんだと思う。
あたし達は由里亜からカードキーを受けとると、部屋に入った。