*蒼空色Diary*


正方形に近い部屋にはベッド、机、テレビ、その他の家電用品が並べられていた。


クローゼット以外のドアが2つあったから、そこはトイレとかお風呂なんだと思う。



「………………」


普通ならここで部屋の広さとかに感動したりルンルン気分で荷物の整理をするんだろうけど


何せあたしは今すっごく眠たくて…


そんな気力は残っておらず


「整理は…起きてからでいいや…」


ボスッとベッドに倒れた。


















「杏樹、ドア開けっ放しだと危な…って、もう寝てる」


杏樹が眠りに落ちてしばらくして、ユアンが不法侵入してきた。



「…………はぁ」


ユアンはためらいもなく部屋に入ってくると、開いていたドアを閉め


部屋の真ん中にあるスーツケースを端に寄せた。




そしてベッドで眠っている杏樹のそばに腰を下ろす。



「………………」



杏樹の手を軽く握ると、条件反射なのか杏樹が握り返してきて


握った手の親指で杏樹の手の甲を撫でてやる。



「……………」



そのままユアンは杏樹の耳元に顔を寄せた。





「……守るから」


俺が…



ユアンはゆっくりと目を閉じると、杏樹の頬に優しく唇を落とした。


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