*蒼空色Diary*
《カーン♪カーン♪》
90分のハードな授業の終わりを告げる鐘の音。
(=チャイムです)
「ふぅ………」
一息ついてから伸びをする。
「あー疲れた」
くるりとこちらに振り返る由里亜。その手にはポッキーが握られていた。
「どーぉ?初日の初授業は。あ、ユアン君ポッキーどうぞ」
「あ、どうも…」
ユアンも後ろを向いてきて、由里亜からポッキーをもらっている。
あたしもポッキーをもらいながら辺りをチラチラ見てみた。
「……………」
なんか、見られてる気がする…
クラスの子達がチラチラこちらの様子を伺っているのが分かる。
まさか…喧嘩が始まるとか!?
無意識に体に力が入る。
「この前はああ言ったけどさ、問題起こすような奴ってごく一部だし。
ほとんどの子は普通だからそんな構えなくて大丈夫だよーっ」
あたしの警戒体制に気付いたのか、由里亜が言った。
「……でも何か俺ら見られてるよね?」
「杏樹とユアン君に話しかけたいんじゃない?
あとで声かけてあげたら喜ぶよきっと」
「………………」
由里亜にそう言われてもう一度教室内を見回す。
目があった子にちょっぴり笑いかけてみると
恥ずかしそうに笑顔を返してくれた。
……おぉ!!!!
なんか大丈夫かも!!!!
「由里亜!!!あたし大丈夫な気がする!!!!」
「……?よく分からないけどよかったね」
「うんっ」
由里亜に向かってVサインをしていると、
3人の男の子があたし達に近付いてきた。
…………よしっ
この人達に友達になってもら…
「おい転校生!!!ちょっとこっち来いよ!!!!」
………おうと思ったけどやっぱり無理かなー。