*蒼空色Diary*


《カーン♪カーン♪》


90分のハードな授業の終わりを告げる鐘の音。
(=チャイムです)



「ふぅ………」


一息ついてから伸びをする。



「あー疲れた」


くるりとこちらに振り返る由里亜。その手にはポッキーが握られていた。


「どーぉ?初日の初授業は。あ、ユアン君ポッキーどうぞ」


「あ、どうも…」



ユアンも後ろを向いてきて、由里亜からポッキーをもらっている。


あたしもポッキーをもらいながら辺りをチラチラ見てみた。



「……………」


なんか、見られてる気がする…


クラスの子達がチラチラこちらの様子を伺っているのが分かる。



まさか…喧嘩が始まるとか!?



無意識に体に力が入る。



「この前はああ言ったけどさ、問題起こすような奴ってごく一部だし。
ほとんどの子は普通だからそんな構えなくて大丈夫だよーっ」


あたしの警戒体制に気付いたのか、由里亜が言った。



「……でも何か俺ら見られてるよね?」


「杏樹とユアン君に話しかけたいんじゃない?
あとで声かけてあげたら喜ぶよきっと」



「………………」



由里亜にそう言われてもう一度教室内を見回す。




目があった子にちょっぴり笑いかけてみると


恥ずかしそうに笑顔を返してくれた。




……おぉ!!!!


なんか大丈夫かも!!!!



「由里亜!!!あたし大丈夫な気がする!!!!」


「……?よく分からないけどよかったね」


「うんっ」


由里亜に向かってVサインをしていると、


3人の男の子があたし達に近付いてきた。



…………よしっ


この人達に友達になってもら…


「おい転校生!!!ちょっとこっち来いよ!!!!」



………おうと思ったけどやっぱり無理かなー。



< 29 / 55 >

この作品をシェア

pagetop