*蒼空色Diary*
「俺らも試験受けるのかな…」
ユアンがちょっぴり不安そうに頭をかいた。
実はユアンは国語科が苦手らしい。
どうも縦文字に抵抗があるみたいで、現代語はもとい、古典や漢文ではいつも苦労している。
あたしもあたしで、理科の化学科が苦手だった。
それは基礎が出来ていないからなんだけど…
「「……………」」
て…テスト…ヤバイかも
やや顔を青くするあたし達を見て由里亜がさらっと言ってのけた。
「杏樹とユアン君は今回は試験免除ね。授業出席が全然ないから。ただ各授業のレポートを提出しなきゃいけないけど…」
………………
………………………
今、あたしの耳にはものすごい天使の言葉が聞こえたような気がして
それはユアンも同じだったらしく
「……え、レポートだけでいいの?」
珍しくポケッとした表情を浮かべている。
「あたしが先生に頼んどいたのよーっ」
ちょっぴり得意げに言う由里亜。
「……………っ」
由里亜…っ!!!!
由里亜様っ…!!!!!
「ありがとありがとぉ!!やっぱ由里亜好きぃ!!!」
「制服に鼻水つけないでねーっ」
きゅっと抱き着けばよしよしとあたしのおでこを撫でてくれる(今日は前髪を上げてみました)。
「試験免除でも勉強一緒にやろうね。レポートの手助けになるかも。
あたしのノート貸してあげる!!」
「ちーちゃんありがと!」
「なーユアン。俺に英語教えてくれ」
「あ、あたしもーっ」
「いーけど」
こうして、あたし達の期末試験にむけての勉強会が始まったのだった。