*蒼空色Diary*
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「……………」
ただ今授業中。
でもあたしがいるのは教室ではありません。
そうここは、いつか来た屋根のある屋上。
3人組に拉致されて、初めて冬矢翡翠と会話した場所。
あたしはまたもそこにいた。
もちろん自分の意思ではなく、目の前の悪魔のせいで。
「……………テメェ」
「ひっいだだだだ!!!!
ごめんなさいーっ!!!!!」
悪魔が、あたしに牙をむく。
「この俺様に恥かかすなんていい度胸してんなぁオラ」
「ごめんなさいごめんなさい!!!!わざとじゃなかったんです!!!」
「あ?」
「うぇーーんっ」
「翡翠…ちょっとやり過ぎじゃ…」
「凪テメェも同罪だろうが。コイツと代わるか?」
「それはヤダな」
「やだよーっ痛い痛い痛いーごめんなさいごめんなさいごめんなさいー!!!!!!」
あたしの頭をわしづかみにする冬矢翡翠。
その頭にはバスタオル。
その体にはジャージ。
でも下は制服のズボン。
「翡翠もうやめよーよ。杏樹ちゃン反省してるみたいだし」
「…ごめんなさぃ」
「翡翠ーあれは事故だよ事故。
翡翠が無視するから杏樹ちゃんが怒って財布投げてくるのなんて想定内じゃン。
ま、その後のことは想定外だったケドね」
御堂凪がケラケラ笑っているのが見える。