*蒼空色Diary*
「……………」
冬矢翡翠は最強に機嫌が悪いままで。
そのオーラと沈黙が、怖い。
とてもじゃないけど"牛乳臭いわー"なんて言える雰囲気じゃなくて
むしろ言ったら間違いなく死刑だろう。
「…………ちっ」
舌打ちされたって、あたしは何も言い返せない。
「…………っ……」
タオルで頭を拭く冬矢翡翠を見ていたら、無性に申し訳なくなった。
「………………」
分かってるよ。
どう考えても、あたしが原因なんだから。
焼きそばサンドは牛乳まみれで台なし。
制服だってさっきクリーニングに出してた。
…授業に出ないのも、牛乳の臭い気にしてるからなのだろうか。
「…………っ…」
制服のネクタイを両手でギュッと握りしめる。
まぶたがじんわり熱くなって、すぐに視界がぼやけてくる。
…自分のせいで、他の人が嫌な思いをしたんだ。
「……っ……さい」
「…………あ?」
「ごめっ…なさい」
「………………」