*蒼空色Diary*
あったかいな…
なんだかフワフワする
ああ、そうだ
この温かさは、ユアンの手の温かさに似ているんだ…
ユアン…
「杏樹っ!!!!」
突如、屋上全体に響き渡るようなユアンの声があたしの耳に届いた。
首をゆっくりと右に向けると、ユアンの金色の髪があたしの視界に入って
「ユアン…」
その瞬間あたしは無意識に立ち上がり、フラフラとユアンの方に歩きだす。
そして、駆け寄ってきたユアンに体を抱きすくめられた。
「ふぅ…ゆあ…」
あたしに回されたユアンの腕が、何度も背中を往復して
幾重にも流れている汗はユアンの首元でその跡を残しながら、シャツに吸収されている。
ユアンの荒い息使い、その熱い身体がリアルにあたしに感じられて
「…うぅ………」
ユアンのシャツ越しに見える世界が、涙で歪んでいく。